AGA(男性型脱毛症)は、成人男性に多く見られる代表的な脱毛症です。日本でも多くの男性が薄毛の悩みを抱えていますが、その多くはAGAによるものとされています。AGAは単なる加齢による現象ではなく、特定の原因によって発症し、進行していくのが特徴です。
AGAの原因を理解するうえで重要なのは、「根本的な原因」と「症状を悪化させる副次的な要因」を分けて考えることです。AGAの主な原因は男性ホルモン(DHT)と遺伝であり、これらが発症の中心的な要素となります。一方で、頭皮環境や生活習慣は直接的な原因ではないものの、薄毛の進行を早めたり症状を悪化させたりする可能性がある要因とされています。この記事では、AGAの原因を体系的に整理しながら、薄毛が進行する仕組みや悪化要因について詳しく解説します。
- AGAの主な原因は悪玉男性ホルモン(DHT)と遺伝
- 男性ホルモンがそのままAGAの原因にはなる訳ではない
- DHTが髪のミニチュア化を引き起こす要因
- 生活習慣改善も薄毛症状の改善に役立つ
AGAとは
AGAとは「Androgenetic Alopecia」の略で、日本語では男性型脱毛症と呼ばれます。主に男性ホルモンの影響によって発症する脱毛症で、前頭部(生え際)や頭頂部から髪が薄くなるのが特徴です。
AGAには大きな特徴があります。それは「進行性の脱毛症」であるという点です。何も対策をしない場合、時間の経過とともに徐々に薄毛が進行していきます。最初は髪が細くなる程度でも、次第に抜け毛が増え、最終的には髪が生えにくい状態になることもあります。
AGA(男性型脱毛症)の詳細は下記ページからも確認することができます。
AGAの原因とは
AGA(男性型脱毛症)を引きおこす原因は大きく別けて2つの因子があります。1つは「ジヒドロテストステロン(DHT)」というホルモンで日本では悪玉男性ホルモンと呼ばれています。もう1つは「遺伝」です。それぞれ、どのような仕組みでAGAの原因となるのかを以下から詳しく解説していきます。
AGAの原因①:ジヒドロテストステロン(DHT)
AGAの原因の1つはジヒドロテストステロン(DHT)です。悪玉男性ホルモンと呼ばれることもあります。体内には「テストステロン」という男性ホルモンがあります。このテストステロンは精巣で生成され、骨格や筋肉の増強や性機能の維持など通常の男性の体に必要なホルモンです。このテストステロンが「5αリダクターゼ」という酵素と結びつくことで「ジヒドロテストステロン(DHT)」という強力な男性ホルモンに変換されます。
このジヒドロテストステロン(DHT)がAGAの発症に深く関係しています。ジヒドロテストステロン(DHT)は毛根にある毛乳頭細胞の受容体に結合し、髪の成長を抑える信号を出します。その結果、髪の成長期が短くなり、髪の毛が太く長く育つ前に抜けてしまうようになります。この現象が繰り返されると、毛包(毛を作る組織)が徐々に小さくなり、太い髪が生えにくくなります。これを「毛包のミニチュア化」と呼びます。毛包のミニチュア化が進むと、次第に髪が細く短くなり、最終的には産毛のような状態になることもあります。
なお、2000年に入るまで医学的な薄毛治療は難しいとされていましたが、2005年10月にAGA治療薬として「プロペシア」が販売認可され、医学的にAGAを治療することが可能になりました。
AGA治療の方法についての解説はこちらの記事もご覧ください。
一方で古くから巷で度々話題になる「わかめ」など、何か特定の食べ物でAGAの原因にアプロ―チするこが出来ない為、改善することが不可能です。
わかめとAGAの解説はこちらの記事もご覧ください。
5αリダクターゼの働き
AGAの原因となるジヒドロテストステロン(DHT)を生み出すのが「5αリダクターゼ」という酵素です。この酵素には主に2種類あります。
5αリダクターゼⅠ型
全身の皮脂腺に多く存在している酵素です。
5αリダクターゼⅡ型
毛乳頭や毛包に多く存在しており、AGAとの関連が強いとされています。特にⅡ型の5αリダクターゼは、生え際や頭頂部に多く分布しているため、AGAはこの部位から進行しやすいと考えられています。逆に、後頭部や側頭部の髪はジヒドロテストステロン(DHT)の影響を受けにくいため、最後まで残りやすい傾向があります。
AGAの根本原因②:遺伝
AGAのもう一つの重要な原因が遺伝です。AGAは、男性ホルモンの影響を受けやすい体質が遺伝することで発症しやすくなると考えられています。遺伝によって影響を受ける主な要素は次の2つです。
・5αリダクターゼの活性の強さ
・男性ホルモン受容体の感受性
男性ホルモン受容体の感受性が高い場合、DHTの影響を受けやすくなり、AGAが発症しやすくなります。また、この受容体に関わる遺伝子はX染色体に存在するとされており、母方の家系の影響を受ける可能性があるともいわれています。そのため、母方の祖父や親族に薄毛の人がいる場合、AGAが発症しやすい体質を受け継ぐ可能性があります。
ただし、遺伝的要因があるからといって必ずAGAになるわけではありません。後述する頭皮環境や生活習慣など、さまざまな要因が重なって発症するケースも多いと考えられています。
AGAと遺伝子の詳しい解説はこちらの記事もご覧ください。
AGAによる薄毛症状を悪化させる副次的な原因
AGAの発症には男性ホルモンと遺伝が大きく関係していますが、それ以外にも薄毛の症状を悪化させる可能性がある要因があります。それが「頭皮環境」と「生活習慣」です。これらはAGAの直接的な原因ではありませんが、髪の成長環境に影響を与えることで、AGAにより引き起こされる薄毛の進行を更に早める可能性があります。
頭皮環境の悪化
髪の毛は毛根にある毛母細胞が分裂することで成長します。この細胞が正常に働くためには、十分な酸素と栄養が必要です。しかし、頭皮環境が悪化すると毛母細胞の働きが弱まり、髪の成長が妨げられることがあります。頭皮環境を悪化させる要因としては、次のようなものがあります。
・血行不良
・皮脂の過剰分泌
・毛穴の詰まり
・頭皮の炎症
例えば血行不良が起こると、毛根へ必要な栄養が届きにくくなります。その結果、髪の成長が弱くなり、AGAによる薄毛が進行しやすくなる可能性があります。また、皮脂の過剰分泌や頭皮の炎症が起こると、毛穴の環境が悪化し、健康な髪が育ちにくくなることもあります。
帽子の頭皮に与える影響と薄毛との関連性についての詳しい解説はこちらの記事もご覧ください。
生活習慣の乱れ
生活習慣もAGAの進行に影響を与える可能性があります。特に次のような生活習慣は注意が必要です。AGAと生活習慣についての詳しい解説はこちらの記事もご覧ください。
睡眠不足
睡眠中には成長ホルモンが分泌され、細胞の修復や再生が行われます。睡眠不足が続くと、髪の成長にも悪影響を与える可能性があります。
栄養バランスの乱れ
髪の毛は主にタンパク質から作られています。また、亜鉛やビタミンなどの栄養素も髪の成長に重要です。食生活が乱れると、髪の健康にも影響が出る可能性があります。
食事の栄養とAGAについての詳しい解説はこちらの記事もご覧ください。
喫煙習慣
喫煙は血管を収縮させるため、頭皮の血流を悪化させる原因になります。
AGAと喫煙についての詳しい解説はこちらの記事もご覧ください。
日常的な強いストレス
長期間による日常的な強いストレスは自律神経やホルモンバランスを乱し、血行不良を引き起こすことがあります。これらの生活習慣はAGAの直接原因ではありませんが、症状の進行に影響を与える可能性があるため、改善することが重要です。
飲酒
大量の飲酒で髪の成長に必要なアミノ酸不足が起こる可能性や睡眠不足を誘引し髪の成長を阻害する可能性があります。
AGAと飲酒についての詳しい解説はこちらの記事もご覧ください。
紫外線
紫外線を浴び続けて頭皮にダメージが蓄積して光老化が引き起こされている場合は、AGAにより引き起こされた薄毛の症状がより悪化する可能性があります。
紫外線とAGAについての詳しい解説はこちらの記事もご覧ください。
AGAの原因と勘違いされるケースが多いもの
医学的な見地からAGAの原因について述べてきましたが、巷ではAGAの原因ではないにも関わらず、原因の様に情報が出回っているケースがありますので、その一例を紹介します。
髪のカラーやブリーチ
一般的なカラーリングや脱色がAGAの原因になることはありません。ただ、髪のやせ細りや頭皮炎によって、間接的に髪が薄く見える可能性があります。
AGAとカラーや脱色について詳しい解説はこちらの記事もご覧ください。
筋トレ
テストステロンの値が、筋トレや運動を行うことでホルモン値が上昇するという研究結果が出ていますが、原因となるジヒドロテストステロン(DHT)が増えるわけではないので、AGAの直接的な原因にはなりません。
筋トレとAGAについて詳しい解説はこちらの記事もご覧ください。
白髪の増加
白髪はメラニンの合成異常やメラノサイトの欠失が原因であり、白髪とAGAは全く別のメカニズムなので、白髪が原因でAGAが引き起こされることはありません。
白髪とAGAについて詳しい解説はこちらの記事もご覧ください。
頭皮のつっぱりや違和感
AGAは脱毛症であるため頭皮の炎症は伴わない為、頭皮に違和感が出ることはありません。頭皮の違和感は神経や触覚細胞が原因です。
頭皮の違和感ついて詳しい解説はこちらの記事もご覧ください。
AGAの原因には薬でアプローチ
AGAの原因は大きく分けて「根本原因」と「悪化要因」の2つに整理できます。
根本原因
・男性ホルモン(DHT)
・遺伝
薄毛症状の悪化要因
・頭皮環境の悪化
・生活習慣の乱れ
特にAGAの発症に大きく関係しているのは、男性ホルモンが変化して生成されるDHTです。このDHTが毛根に作用すると、ヘアサイクルが乱れて髪の成長期が短くなり、髪が細く短くなってしまいます。さらに遺伝による体質や、頭皮環境、生活習慣などの要因が重なることで、AGAは徐々に進行していきます。そのため、AGAを理解するためには、男性ホルモンと遺伝という根本原因を知るだけでなく、頭皮環境や生活習慣といった悪化要因についても把握しておくことが重要です。
しかし、AGAを改善するにはまずは「根本原因」にアプローチすることが最優先です。医師に触診などで頭皮の状態やAGAの進行状況などを細かく診断してもらった上で、どのAGA治療法を選択すべきかを相談しながら決めていくのが良いでしょう。
銀座総合美容クリニックでは「常に患者さん目線でのクリニック運営」「患者満足度のより高いAGAクリニックを目指します」をクリニックの運営理念に掲げ薄毛に悩む患者様と日々真摯に向き合っており、無料カウンセリングを対面・オンラインともに常時承っております。





















