AGA 治療を始めると、最初の 1〜3 か月ほどは「初期脱毛」と呼ばれる一時的な抜け毛の増加が起こることがあります。毛量を増やすはずの治療であるにもかかわらず抜け毛が増えるため、驚いて治療をやめてしまう人も少なくありません。
しかし、この初期脱毛はミノキシジルなどの治療薬が太く強い髪を生やす準備段階で起きる“良いサイン”です。抜け毛が増えるのは古い弱い毛が抜け、新しい髪へ生え替わる過程だからです。
本記事では、初期脱毛が起こる理由や仕組みをわかりやすく解説し、安心してAGA 治療を続けるためのポイントをお伝えします。
- AGA治療で起こる「初期脱毛」とは何か
- 初期脱毛が発生するメカニズムと、ミノキシジルなど治療薬との関係
- 初期脱毛を誘発する主な原因要素(薬剤・生活習慣・個人差など)
- 初期脱毛を伴わない治療法・治療薬の選択肢はあるのか
- 初期脱毛が起きたときの正しい捉え方と治療継続のポイント
AGA治療の初期脱毛とは
AGA治療の初期脱毛とは、ミノキシジルなどの治療薬を使い始めてからおよそ1〜3 か月に一時的に抜け毛が増える現象です。治療を受ける多くの方が体験しますが、体質や進行度によっては起こらない場合もあります。これはミノキシジルが細く短くなった髪を押し出し、太く健康的な新しい髪へ生え替わらせる準備段階であり、治療が順調に進んでいるサインと考えられます。
AGA(男性型脱毛症)のメカニズムについて詳しくはこちらをご覧ください。
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AGA治療の初期脱毛が起きる原因
AGA治療で見られる“初期脱毛”は、ヘアサイクル(毛周期)の流れがミノキシジルの作用で変化することによって起こります。通常、髪は「成長期 → 退行期 → 休止期 → 脱毛」という4つの時期を 2〜6 年かけて巡回します。AGAを発症すると成長期が極端に短縮し、細く短い毛が増加してしまうのが特徴です。治療薬を投与すると、この乱れたヘアサイクルが健康的な形に立て直される過程で、古い細くて短い毛がまとめて抜け落ち、新しい太い髪を生やす「準備段階」として一時的な抜け毛増加が生じます。これが初期脱毛の原因です。
1:髪が生え成長を続ける「成長期」
2:成長が緩やかになる「退行期」
3:髪の成長が止まり、抜ける準備となる「休止期」
4:髪の毛が抜け落ちる「脱毛」
1本の毛髪が2~6年程かけてこの4つの時期を繰り返し、毛髪が抜け落ちたり、また生えて成長したりしています。
このヘアサイクルにおいて初期脱毛のメカニズムは、AGA治療薬であるミノキシジルの影響により、発毛が促進され新しい髪が生えてくる過程で抜け毛が増える仕組みです。
発毛を促進するミノキシジルの投薬によって起きる初期脱毛の仕組みを紹介します。
ミノキシジルによる初期脱毛
AGA治療薬の「ミノキシジル」による作用で、ヘアサイクルは「初期脱毛」という変化が訪れます。ミノキシジルは成長因子の分泌を活性化させ、毛乳頭の細胞分裂を繰り返すことで髪の毛になる毛母細胞に作用するといわれています。
初期脱毛のメカニズムは、ミノキシジルの作用によって新しい髪の発毛が促進され、AGAを発症した髪の毛を押し上げて生えてきます。その結果AGAを発症した髪の毛が抜けて、ミノキシジルを内服する前よりも抜け毛が増える仕組みです。
新たに髪の毛が生えるようにするにはヘアサイクルのメカニズムにある通り、今生えている髪の毛(すでにAGAを発症している髪の毛)を脱毛させる過程が必要になります。主に「3:髪の成長が止まり、抜ける準備となる休止期」に入っている髪の毛が早い段階で脱毛に移行する為、「4:髪の毛が抜け落ちる脱毛」の髪の毛の量が普段より増加することで抜け毛の量も増えるのが初期脱毛のメカニズムです。
ミノキシジル内服薬・外用薬について詳しくはこちらをご覧ください。
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AGA治療の初期脱毛の期間について
AGA治療を始めてから10日~1ヶ月程度で既存の毛髪(AGAを発症している毛髪)が抜けはじめます。初期脱毛には個人差があり、発現しない場合もありますが、ほとんどの方は1~3ヶ月程度続くと言われています。
しかし3ヶ月以上抜け毛が止まらないと感じる場合は、別の理由で抜け毛が増えている可能性がありますので注意が必要です。
AGA(男性型脱毛症)以外で脱毛の症状がある疾患として、円形脱毛症や牽引性脱毛症、脂漏性脱毛症など様々考えられます。それぞれ治療方法が異なるため、AGA(男性型脱毛症)の治療を行っていても意味がありません。AGA(男性型脱毛症)治療を開始し、3ヶ月以上経っても抜け毛が続くようであれば、医療機関に相談をしてみましょう。
初期脱毛を伴わないAGA治療
初期脱毛の原因はミノキシジルの作用である点からも、AGA治療においてミノキジルの成分を用いないAGA治療の場合には初期脱毛は起こりません。そのため、全てのAGA治療において初期脱毛が起こる訳ではありません。
フィナステリドやデュタステリドといった、5αリダクターゼを阻害して抜け毛を抑制する作用のAGA治療薬には初期脱毛は基本的には起こりません。
仮にAGA治療でミノキシジルを用いていないにも関わらず初期脱毛が見られた場合には、他の脱毛症による脱毛症状の可能性があるので、かかりつけの医師に早急に相談をしましょう。
AGA治療における初期脱毛の考え方
AGA治療において一時的でも抜け毛が増えたり髪のボリュームが減ることは、心理的に大きな負担やストレスになります。しかし、重ねてにはなりますが医学的に考えるとミノキシジルの効果が出始めているサインになりますのでAGA治療においては良い兆候です。通院している医師の説明や指導の下、服用を中止せずに安心してAGA治療を継続しましょう。
しかしながら、初期脱毛のストレスに耐えられない、または想定される以上に髪の抜ける量が多い場合においては、ミノキシジルの処方濃度により初期脱毛をある程度コントロールすることは可能ですので、通院している医師に相談してください。
銀座総合美容クリニックでは「常に患者さん目線でのクリニック運営」「患者満足度のより高いAGAクリニックを目指す」をクリニックの運営理念に掲げ薄毛に悩む患者様と日々真摯に向き合っており、無料カウンセリングを対面・オンラインともに常時承っております。
AGA治療の初期脱毛に関してよくある質問
AGA治療の初期脱毛に関してよくある質問をまとめました。
