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抜け毛が多い原因とは?治療が必要な場合の見分け方や対策方法

シャンプーする度に日に日に排水溝に溜まる抜け毛の量が増えた、朝起きた時に枕元の抜け毛が増えた等の抜け毛がいつもより増えて「このまま薄毛になってしまうのだろうか」と漠然とした不安を感じている方に向けて、抜け毛が多くなる原因や、日常で出来る抜け毛の対策方法までを医学的な見地から解説していきます。なお、抜け毛は誰にでも起こる自然な生理現象であり、その中には心配のいらない正常な抜け毛と、注意が必要な抜け毛のサインがありますので、その見極め方についても触れていきます。

この記事で分かること
  • 一定量の抜け毛は生理現象の範囲
  • 抜け毛には要注意なものがある
  • 男女や年齢で抜け毛の傾向が異なる
  • セルフケア対策で一定の効果も見込める
  • 不安が解消できない場合は医療機関へ
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「抜け毛が多い」は気のせい?抜け毛の状態をチェック

抜け毛が増えたと感じるたびに不安になる方も多いと思いますが、抜け毛の量に一喜一憂し、神経質になりすぎるのは心身の負担にもなりかねません。まずは冷静に、自身の髪と頭皮の状態を客観的に把握することから始めましょう。

まず健康な抜け毛と、薄毛につながる可能性のある要注意な抜け毛とを区別するための基本的な考え方をお伝えします。その上で具体的な抜け毛の本数の目安や、毛根の状態、抜けた髪の毛の太さや長さといったチェックポイントについて詳しく解説していきます。まずは今感じている抜け毛が正常の範囲なのか否なのかを客観的に確認することが最初の1歩です。

1日の正常な抜け毛本数は50〜100本程度

「抜け毛が多い」と感じても、実は健康な人でも毎日一定量の髪は自然に抜けています。人間の髪の毛は、成長しては抜け落ち、また新しく生えてくるという「ヘアサイクル(毛周期)」を繰り返しています。このヘアサイクルの過程で、1日に約50本から100本程度の髪が自然に抜け落ちるのは、多少の本数の差があれど老若男女に起こる正常な生理現象です。

例えば、朝起きたときに枕元についている髪の毛や、シャンプー時に排水溝にたまる髪の毛の量を見て、「抜け毛が多い」と感じるかもしれません。しかし、これらが50本から100本の範囲内であれば、基本的には心配する必要はありません。なお、髪の毛がどのくらいの量抜けているかを正確に数えるのは難しいですが、一般的な目安としてこの本数を覚えておくとで過度な不安を和らげることができるでしょう。

また、排水溝に溜まる抜け毛についても、髪を整髪料でセットしているか否かでもその本数は異なります。整髪料を使わなければ1日生活の中で自然に髪が抜け落ちますが、特に朝からワックスやジェルなどで髪を固めている男性であれば、日中に自然に髪が抜け落ちることは少ないので、洗髪時に髪が多く抜けると感じるケースも多いです。この様に生活スタイルでも抜け毛が多く感じるケースがありますので、一時的に抜け毛が増えたと感じてもそこまで気にする必要はありません。

【医師監修】抜け毛の原因と対策は?1日の平均本数や危険な兆候を解説

要注意な抜け毛のサインについて

1日に50〜100本程度の抜け毛は正常だとお伝えしましたが、中には注意が必要な抜け毛も存在します。単に抜ける本数が多いだけでなく、抜け毛の「質」をよく観察することが、薄毛や何らかの頭皮トラブルのサインを見極める上で非常に重要です。

具体的には、「1日の抜け毛の本数が明らかに増えているか」「抜けた髪の毛根はどのような状態か」「抜けた髪の毛の太さや長さはどうか」という3つのポイントに注目してセルフチェックを行ってみてください。これらのサインは、正常な髪の生え変わりのヘアサイクル(毛周期)が乱れている場合や、髪の成長が阻害されている可能性を示唆しています。以下に具体的なセルフチェック項目を紹介します。

チェック1:1日の抜け毛が明らかに増えた(200本以上など)

もしご自身の抜け毛が明らかに正常な範囲の50~100本前後の範囲を超え、例えば200本以上の抜け毛が数日以上続いている場合は注意が必要です。特に、抜け毛の数は正確に把握できないので、以前より急激に抜け毛が増えたと感じる変化が最も着目すべきポイントです。

チェック2:抜け毛の毛根が細い、または毛根がない

一方で、要注意な抜け毛の毛根は、「黒っぽい」「非常に小さい」「細く尖っている」といった特徴が見られる場合や、「毛根自体がない」場合もあります。このような毛根の髪は、十分に成長する前に何かしらの理由で無理やり抜けてしまった、もしくはヘアサイクルが乱れて充分に成長しないまま抜け落ちてしまった可能性を示唆しています。もし、ご自身の抜け毛にこのような毛根が多く見られる場合は、ヘアサイクルの異常や頭皮環境の悪化が考えられるため、注意が必要です。

チェック3:細くて短い髪の毛が多く抜ける

抜けた髪の毛の長さや太さも、薄毛のサインを見極める上で大切な指標となります。健康な髪は、太くコシがあり、ある程度の長さがありますが、注意が必要な抜け毛は「細くて短い、うぶ毛のような髪の毛」が多く混じっている特徴があります。

これは、ヘアサイクルの中で髪が十分に成長する「成長期」が短縮され、太く長く育ちきる前に抜け落ちてしまう「髪のミニチュア化(軟毛化)」という現象です。特に、男性型脱毛症(AGA)や女性型脱毛症(FAGA)の場合に多く見られます。もし、シャンプー後やブラッシングの際に、このような成長しきれていない細く短い髪の毛が目立って抜けるようであれば、頭皮全体のボリュームダウンにつながる危険なサインである可能性があります。

なぜ抜け毛は多くなる?男女共通の主な原因

抜け毛が多くなる原因は一つだけではなく、さまざまな要因が複雑に絡み合っているケースもあります。ご自身の抜け毛が多くなったなと感じた髪の毛の状態をセルフチェックで確認した後は、その背後にある原因を探り、適切な抜け毛の対策を始めましょう。

性別を問わず多くの方に共通して見られる抜け毛の主な原因について解説します。具体的には、日々の「生活習慣の乱れ」や「ストレス」、「誤ったヘアケア」、「ホルモンバランスの変化」、「加齢による影響」、「季節的な要因」、そして時には「病気や薬の副作用」といった要素が挙げられます。これらの原因を理解することで、自身で解決が出来る範囲なのか、または医師に相談すべきなのかをしっかり見極めましょう。

生活習慣の乱れ

抜け毛の主な原因の一つに、日々の生活習慣の乱れがあります。特に髪の健康に大きく影響するのが「食生活」と「睡眠」です。

まず食生活ですが、髪の毛は主に「ケラチン」というタンパク質からできています。そのため、体内でタンパク質が不足すると、健康な髪の成長が妨げられてしまいます。こう見るとタンパク質だけ取れば解決と思われがちですが、髪の生成にはミネラルやビタミン類(特にビタミンA、B群、E)も、髪の成長には欠かせません。毎日毎食、外食やコンビニで食事を済ませている人は脂質や糖質が多くなり、ビタミンやミネラルはほとんど摂取できていないといった偏る場合が多く注意が必要です。出来る限りバランスの取れた食生活を心がけ、肉、魚、卵、大豆製品から良質なタンパク質、緑黄色野菜や海藻類からビタミン・ミネラルを積極的に摂ることを心がけましょう。す。

次に睡眠ですが、髪の毛は寝ている間に特に成長します。これは、睡眠中に分泌される「成長ホルモン」が、髪の毛の成長や頭皮の細胞の修復に不可欠だからです。睡眠不足や質の低い睡眠が続くと、血行不足や成長ホルモンの分泌が滞り、ヘアサイクルが乱れて短縮し抜け毛が増える原因となります。特に入眠から最初のノンレム睡眠が成長ホルモン分泌に重要とされており、寝る直前にお風呂に入る、食事をするなどせずにリラックスした状態から入眠するよう心掛けましょう。

過度なストレス

現代社会において避けられないストレスも、抜け毛の大きな原因の一つです。ストレスは私たちの心だけでなく、体にもさまざまな影響を及ぼし、髪の成長にも直結します。

ストレスを感じると、私たちの体は交感神経が優位になり、血管が収縮します。これにより、頭皮の血行が悪くなり、髪の成長に必要な酸素や栄養素が毛根に届きにくくなってしまいます。栄養が行き届かない髪は、十分に成長できずに細くなったり、抜けやすくなったりするのです。また、ストレスホルモンであるコルチゾールの過剰分泌は、ヘアサイクル(毛周期)の成長期を短縮・休止期を長期化させ、脱毛を引き起こしすという研究論文も海外で発表されています。その結果、髪が成長しきる前に抜けてしまい、全体の毛量が減少することにつながります。

研究:Stress and the Hair Growth Cycle: Cortisol-Induced Hair Growth Disruption – PubMed

自分なりのストレス解消法を見つけて、体と気持ちを休ませるだけの純粋な休息も重要ですし、心と体をリフレッシュする時間を作ることも大切です。

誤ったヘアケア

毎日行うヘアケアが良かれと思っていても、実は抜け毛を加速させているケースがあります。誤ったヘアケアは頭皮に負担をかけ抜け毛を増やし、髪の成長を妨げる原因となるケースもあります。

例えば、洗浄力が強すぎるシャンプーを毎日使うことで、頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまい、乾燥やかゆみを引き起こすことがあります。また、1日に何度も髪を洗ったり、シャンプー時に爪を立ててゴシゴシと強く洗ったりすることも、頭皮に物理的なダメージを与えると、炎症やフケの原因となることがあります。石鹸系やアミノ酸系などの頭皮にダメージの少ない洗浄成分のシャンプーで優しく頭皮を使うことで解決できます。

他にも、髪を強く引っ張るヘアスタイル(ポニーテールやきつめの編み込みなど)を日常的に続けると、「牽引性脱毛症」を引き起こす可能性がありますが、この場合は髪を引っ張らない髪型に変えることで症状を改善することが出来ます。

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスの乱れも、男女問わず抜け毛に大きく影響することがあります。私たちの体はホルモン分泌の調整で日々の健康的な生活が支えられており、これは髪の毛も例外ではありません。特に髪の成長や維持に関わる様々なホルモンとして代表的なものとしては、男性ホルモンや女性ホルモン、そして代謝を司る甲状腺ホルモンなどが挙げられます。

過度なダイエットによる栄養不足、不規則な生活習慣、そしてストレスなどは、これらのホルモンの分泌バランスを崩す原因となります。ホルモンバランスが乱れると、ヘアサイクルが正常に機能しなくなり、髪の成長期が短くなったり、休止期の髪が増えたりして、結果的に抜け毛が増えることにつながります。

なお、男性型脱毛症(AGA)や女性型脱毛症(FAGA)といった特定のホルモンに起因する脱毛症については後述します。まずは、日々の生活習慣がホルモンバランスに影響を与え、それが抜け毛につながる可能性があるという認識を持つことが大切です。

加齢による影響

抜け毛は、特に40~50代を過ぎたあたりから自然に増えていく現象でもあります。加齢は誰にでも訪れる体の変化であり、髪質や毛量にも少なからず影響を及ぼします。この自然な変化を知ることで、過度な不安を感じることなく、現実的な対策を講じることができます。

年齢を重ねると、身体の細胞が老化を始めると同じ様に髪を作る毛母細胞の働きも低下したり、頭皮の血行が悪くなったりすることがあり髪の成長を妨げる要因となります。女性の場合、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少することも、髪のハリやコシの低下、全体のボリュームダウン、そして抜け毛の増加につながります。

このような加齢による変化は避けられないものですが、適切なヘアケアや生活習慣の見直し、必要に応じた専門的な対策を取り入れることで、その進行を緩やかにし、健やかな髪の状態を長く保つことは十分に可能です。加齢に伴う抜け毛を「仕方ない」と諦めるのではなく、積極的にケアをしていく意識を持つことが大切です。

季節的な要因

「秋になると抜け毛が増える」と感じる方は多いのではないでしょうか。実は、抜け毛は季節によって増減することがあり、特に春と秋は抜け毛が増えやすい時期として知られています。

秋に抜け毛が多いと感じる理由としては、まず夏に受けた紫外線のダメージが頭皮に蓄積することが挙げられます。強い紫外線は頭皮を乾燥させたり、活性酸素を発生させたりして、頭皮環境を悪化させます。また、夏バテによる食欲不振や睡眠不足も、髪の栄養状態や成長ホルモンの分泌に影響を及ぼし、秋になってから抜け毛として現れることがあります。動物の換毛期のように、人間にも毛の生え変わりの周期があるという説もありますが、研究や論文で裏付けされている論説ではありません。

一方、春の抜け毛が増える原因としては、冬の寒さや乾燥による血行不良、新生活が始まることによるストレスなどの可能性が考えられます。一般的に、季節性の抜け毛は一時的なものであり、しばらくすれば落ち着くことがほとんどです。そのため、過度に心配する必要はありません。

病気や薬の副作用の可能性

これまでご紹介した生活習慣やストレスなどが原因ではない、またはセルフケアでは改善しない抜け毛の場合、何らかの病気のサインである可能性や、服用している薬の副作用である可能性も考慮する必要があります。安易な自己判断は避け、速やかに医療機関で医師に相談することが大切です。一例として抜け毛を伴う可能性のある病気には、以下のようなものがあります。

  • 甲状腺機能の異常(亢進症、低下症):甲状腺ホルモンは代謝に関わるため、髪の成長にも影響します。
  • 鉄欠乏性貧血:髪の成長に必要な鉄分が不足することで抜け毛が増えることがあります。
  • 膠原病(全身性エリテマトーデスなど):自己免疫疾患の一種で、脱毛が見られることがあります。
  • 円形脱毛症:コイン型やそれ以上の範囲で突然髪が抜け落ちる病気です。

急激な抜け毛の増加に加え、体のだるさ、発熱、頭皮の強いかゆみや痛み、湿疹などの他の症状を伴う場合は、自己判断で市販薬を使用したりせず、すぐに皮膚科などの専門医を受診してください。早期に適切な診断と治療を受けることが、抜け毛の進行を食い止め、改善へと導くために非常に重要です。自分の判断だけで判断や行動をすることは控えて下さい。

性別や年代別の抜け毛が多くなる特有の原因

これまで、性別を問わず多くの人に共通する抜け毛の原因について詳しく見てきました。ここからは、男女それぞれに特有の要因や、年代によって異なる抜け毛の原因傾向について解説します。男性と女性ではホルモンの働きが異なるため、薄毛のパターンや進行の仕方も大きく変わることがあります。また、人生の各ステージ、例えば20代の忙しい生活、30代の出産・育児、そして40代以降の加齢やホルモンバランスの変化など、ライフステージによっても抜け毛の主な原因は変化していきます。もちろん個人の体質や生活スタイルにより異なりますので、傾向として解説します。

男性特有の抜け毛の原因:AGA(男性型脱毛症)の進行

成人以降の男性の抜け毛の原因として最も多く、そして進行性の薄毛の原因として挙げられるのが「AGA(Androgenetic Alopecia)」日本語では男性型脱毛症と呼ばれます。AGAは遺伝的要因と男性ホルモンの影響によって引き起こされる脱毛症で、思春期以降のどの年代でも発症する可能性があります。特に、前頭部の生え際が後退したり、頭頂部の髪が薄くなる半面で側頭部や後頭部の毛量は変わらないという典型的な特徴があります。

このAGAのメカニズムは、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、頭皮にある「5αリダクターゼ」という酵素と結びつくことで、「DHT(ジヒドロテストステロン)」という強力な男性ホルモンに変換されることにあります。このDHTが毛乳頭細胞にあるアンドロゲン受容体と結合すると、髪の成長サイクルを乱し、成長期を極端に短くしてしまいます。本来なら太く長く育つはずの髪が、十分に成長する前に抜け落ちてしまうため、徐々に髪の毛が細く、短くなり、地肌が透けて見えるような状態になっていくのです。

AGAは進行性のため、放置すると薄毛は徐々に悪化していきます。そのため、「最近抜け毛が増えたな」「生え際が以前より後退してきた気がする」と感じたら、早期に専門医に相談し、適切な対策を始めることが非常に重要です。

AGAとは?抜け毛や薄毛の原因と治療法

女性特有の抜け毛の原因:ホルモンバランスの変化

女性の抜け毛は、男性のAGAのように特定の部分だけが薄くなるというよりは、頭部全体が薄くなる「びまん性脱毛症」のケースが多いのが特徴です。その背景には、女性ホルモンの変化が大きく関わっています。

女性にも男性ホルモンは存在しますが、女性ホルモン(エストロゲン)とのバランスが崩れることで薄毛が進行することがあり、これを「FAGA(Female Androgenetic Alopecia)、女性男性型脱毛症」と呼ぶこともあります。FAGAの場合も、髪の毛が全体的に細く、ハリ・コシが失われ、ボリュームが減少するという形で現れます。

特に、女性のライフステージにおいては、ホルモンバランスが大きく変動する時期に抜け毛が増える傾向があります。

例えば、「妊娠・出産後」は、妊娠中に増加していた女性ホルモンが、出産後に急激に減少することで一時的に抜け毛が増えることがあります。これは「分娩後脱毛症(産後脱毛)」と呼ばれ、多くの場合、一時的なもので時間の経過とともに回復することが期待できます。

また、「更年期」に入ると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が大きく減少します。エストロゲンには髪の成長を促し、健康な状態を保つ働きがあるため、その減少は髪のハリやコシの低下、そして抜け毛の増加につながりやすいのです。これらのホルモンバランスの変化による抜け毛は、適切な知識とケアで対処できる場合も多いですが、症状が重い場合は専門医への相談も視野に入れると良いでしょう。

女性の薄毛や抜け毛の原因とは 脱毛症の種類や治療法について

年代別の抜け毛の原因傾向

抜け毛の原因は多岐にわたりますが、年代によってもその傾向は異なります。ご自身の年代に当てはまる項目を確認することで、より効果的な対策を見つけやすくなるでしょう。

10代〜20代の抜け毛

この年代は、身体的な成長が著しく頭蓋骨が成長すると必然的に髪の密度や生え方も変化する為、過度に神経質になる必要はありません。ただ、ライフスタイルも大きく変化しやすい時期です。過度なダイエットによる栄養不足、夜更かしや睡眠不足といった不規則な生活習慣、受験や就職、人間関係などによるストレス、そして誤ったヘアケア(カラーリングやパーマの繰り返し、洗浄力の強すぎるシャンプーなど)が主な抜け毛の原因となりやすい傾向があります。

30代の抜け毛

仕事やキャリア、結婚、出産、育児といったライフイベントが集中しやすい年代です。これらの変化に伴う心身への負担、慢性的なストレス、睡眠不足、食生活の偏りなどが抜け毛の原因として挙げられます。特に女性の場合、出産後のホルモン変化による産後脱毛による抜け毛をこの時期に経験されることが多いでしょう。男性では額や頭頂部が薄くなるAGAの兆候が顕著になるケースも増えてきます。

40代〜50代以降の抜け毛

加齢による影響が顕著になり始める年代です。髪の成長サイクルが自然と短くなり、毛母細胞の働きが低下することで、髪が細く、弱々しくなる傾向があります。女性では更年期による女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少が抜け毛を加速させる大きな要因となります。また、生活習慣病(高血圧、糖尿病など)の進行や、服用している薬の副作用が抜け毛につながる可能性も考慮する必要があります。

このように、年代によって抜け毛の主な原因は変化しますが、いずれの年代においても、生活習慣の改善や適切なヘアケアは基本的な対策となります。しかし、セルフケアだけでは難しい場合や、原因が特定できない場合は、専門家への相談も検討してみてください。

抜け毛が多いと感じたらすぐに始めるセルフケア

抜け毛の悩みは医療機関に相談することが解決までの最短ルートであることは間違いのない現実です。とはいえ時間もコストも掛かるので、症状や気持ちの面でもそこまでする必要なないと考え、まずはセルフケアから始めたいという方に向けて、今日からすぐにでも始められる具体的な抜け毛対策を解説します。

抜け毛の原因でも一部対策には触れましたが、改めて抜け毛が増えたと感じた方に向けて対策方法を詳しく解説します。健康な髪が育つための土台を築き、髪本来の力を引き出すために非常に重要です。

1. 食生活の見直し

健康な髪を育むセルフケアの第一歩として、最も基本となるのが「食生活の改善」です。髪の約9割を構成する「タンパク質」は、肉、魚、卵、牛乳、大豆製品などに豊富に含まれています。しかし、タンパク質を吸収、そして髪の毛を作る為には、その他の亜鉛などのミネラルやビタミンの摂取も不可欠です。日々、野菜と肉をバランス良く摂取することが重要です。インスタント食品やコンビニの食事を減らし自炊にきりかえるだけでも食事のバランスは改善します。

2. 睡眠の質の改善

抜け毛が多いと感じた時のセルフケア対策において、見落とされがちなのが「睡眠」の質です。単に長く寝るだけでなく、いかに質の良い睡眠をとるかが、健康な髪の成長には不可欠です。というのも、髪の成長や頭皮の修復に欠かせない「成長ホルモン」は、特に眠りについた最初のノンレム睡眠時に多く分泌されるからです。睡眠不足や質の低い睡眠が続くと、この成長ホルモンの分泌が滞り、髪の成長サイクルが乱れて抜け毛につながることがあります。

質の良い睡眠を得るためには、就寝の1〜2時間前に入浴して体温を一時的に上げると、その後の体温下降がスムーズな入眠を促します。また、寝る前のスマートフォンやPCの使用は、脳を覚醒させてしまうため控えるようにしましょう。これらの小さな工夫を積み重ねることで睡眠の質は格段に向上し、髪の成長をサポートする成長ホルモンの分泌を促すことができます。質の良い睡眠は、髪だけでなく心身全体の健康にもつながる大切なセルフケアです。

3. 正しいヘアケアの実践

抜け毛対策において、日々の「正しいヘアケア」は頭皮環境を健やかに保ち、健康な髪が育つ土壌を整える上で非常に重要な役割を担います。誤ったヘアケアは、良かれと思って行っていたとしても、かえって頭皮に負担をかけ、抜け毛を加速させてしまうことがあるからです。このセクションでは、日常的に行うケアの中でも特に重要な「シャンプー」に焦点を当てて解説します。

頭皮を清潔に保ち、余分な皮脂や汚れを取り除くことは大切ですが、その方法や使用する製品を間違えると、頭皮の乾燥や炎症を引き起こしかねません。頭皮への負担を最小限に抑えつつ、健やかな髪を育むための効果的なケアを実践できるようになります。特に男性用のスカルプシャンプーには脱脂力が強いものが多く、「広告をよく見るから」「有名人がすすめているから」といった安易な理由で商品を選び使うことはおすすめしません。

シャンプーは洗浄成分で性質が異なり、頭皮が乾燥しやすかったり、敏感肌の方には、洗浄力がマイルドな「アミノ酸系」や「ベタイン系」のシャンプーがおすすめです。これらは頭皮に必要な潤いを残しつつ、優しく洗い上げることができます。一方、皮脂が多くベタつきが気になる場合は、適度な洗浄力を持つ「石鹸系」や、特定の成分(例:サリチル酸など)が配合されたシャンプーを選ぶと良いでしょう。自分の頭皮タイプに合った製品を選ぶことが、健やかな頭皮環境を保つ第一歩です。

4. ストレスを上手に付き合う

抜け毛の大きな原因の一つに「ストレス」があります。現代社会においてストレスを完全にゼロにすることは難しいですが、大切なのは「ストレスを溜め込まず、自分なりの方法で上手に管理・解消すること」です。心と体の健康が髪の健康に直結しているため、ストレスケアは非常に重要なセルフケアと言えます。

ストレスが溜まると、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮して頭皮への血流が悪くなります。これにより、髪の成長に必要な栄養が届きにくくなるだけでなく、成長ホルモンの分泌にも影響を与え、結果として抜け毛が増えることにつながります。ウォーキングや軽いジョギング、趣味に没頭する、半身浴などストレス解消法の中から、ご自身に合ったものを見つけ、日常に上手に取り入れることが大切です。心と体が満たされることで、髪も健やかに育つ土台が整います。自分を労わる時間を作り、ストレスと上手に付き合っていきましょう。

病院やクリニックを受診するタイミングの目安

ご自身の抜け毛について、病院やクリニックを受診すべきか判断に迷う方も少なくないでしょう。ご自身の状況がセルフケアで対処できる範囲なのか、それとも専門的な診断や治療が必要なのかを見極めるための具体的な目安をいくつかご紹介します。

  • 1日に200本以上の抜け毛が数ヶ月にわたって続いている
  • 抜けた髪の毛に、細く短い毛が明らかに多く混ざっている
  • 以前に比べて地肌が透けて見える範囲が広がった、または薄くなったと感じる
  • 頭皮にかゆみ、赤み、痛み、フケなどの症状があり、セルフケアでは改善しない
  • 髪の毛がごそっと抜ける箇所が突然できた(円形脱毛症の疑いがある場合)
  • 抜け毛以外の体調不良(倦怠感、発熱など)も伴う

これらのサインのうち一つでも当てはまる場合は、自己判断せずに、一度専門の医療機関を受診することを強くおすすめします。特に、抜け毛の進行が早い場合や、急激な症状の変化が見られる場合は、早めの受診が改善への近道となります。

また仮に上記に1つも当てはまらない場合でも、もし精神的な不安が解消されない場合は迷わず医師に相談して不安を解消しましょう。重ねてになりますが、やはり身体と同様に髪の悩みも医師に相談することが解決に向けた最短ルートになります。

銀座総合美容クリニックでは「常に患者さん目線でのクリニック運営」「患者満足度のより高いAGAクリニックを目指す」をクリニックの運営理念に掲げ薄毛に悩む患者様と日々真摯に向き合っており、男性女性問わず「抜け毛が多くなったかも」と感じた皆様の相談をお受けしております。

抜け毛が多いと感じた方のよくある質問

日常生活で抜け毛が多くなってきたと感じた方からよく質問されるものを紹介します。

毛量が多いと抜け毛も多いですか?

毛量が多いと抜け毛も多いです。髪が生えている総数が多いため、自然と抜ける本数もそれに比例して多くなります。日本人は平均して髪が10万本生えていると言われており1日50~100本の抜け毛が一般的です。その為、極端な例を出せば髪の毛が倍の20万本生えていれば抜け毛も倍の1日100~200本になります。ただ、髪の毛1本1本が太い、または髪のコシが強いことで、見た目や手触りで毛量が多いと誤認することがありますので注意が必要です。

抜け毛が多くなる季節はありますか?

秋が一般的に一番多いです。ただ、明確なエビデンスはなく一説には動物の換毛期のように、人間にも毛の生え変わりの周期があるという説もありますが、研究や論文で裏付けされている論説ではありません。なお、特定の季節で抜け毛が多くなってもあくまで一時的であれば気にする必要はありません。

抜け毛予防にスカルプシャンプーは効果がありますか?

使う商品を間違わなければあります。頭皮の脂を全て除去する様な強い洗浄力のある物や刺激の強いものは効果がないに留まらず、頭皮にとって悪影響なので使わないようにしましょう。あくまで頭皮に刺激が少なく、余分な汚れや脂を取るマイルドなアミノ酸系シャンプーや石鹸シャンプーを使うことをおすすめします。なお、スカルプ(育毛)シャンプーの目的は頭皮を清潔に保ち、健康な髪が育ちやすい頭皮環境を整えることです。シャンプー自体に、髪を生やす「発毛効果」は一切ありませんのでそこを期待している場合には効果はありません。

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