ミノキシジル外用薬の効果・用法・副作用について

 
進行性の脱毛症であるAGA(男性型脱毛症)ですが、薄毛に悩む男性の多くはAGAともいわれています。

実際にMSD製薬の調査によると20~69歳成人男性4200万人の約3人に1人がAGAという調査データからもその現状が浮き彫りになります。
※参照:http://www.aga-news.jp/secure/about_aga/index.xhtml

AGAには内服薬や外用薬による治療が有効であり、その効果が医学的に証明されています。では治療薬とは具体的にどのような薬剤なのでしょうか?今回はAGA治療における代表的な治療薬「ミノキシジル外用薬」についてご紹介します。

ミノキシジル外用薬とは

ミノキシジル外用薬はAGAにおける発毛、育毛および脱毛の進行を予防する治療薬として、厚生労働省から認可を受けている薬剤です。

一般用医薬品の中の第1類医薬品*1に区分され、各製薬会社からミノキシジルを配合した発毛剤が市販品としても販売されています。

ミノキシジルは1960年代にアメリカの製薬会社によって、高血圧治療のための降圧剤*2として開発されました。しかし、降圧剤として使用した患者に多毛という副作用が生じることが認められたため、その後発毛薬として研究が進みAGA治療に使用されるようになった経緯があります。

なお、ミノキシジルには、頭皮に直接塗布して使用する外用薬と経口摂取する内服薬の2種類が存在しますが、国内で厚生労働省から認可が下りているのは外用薬のみです。

ミノキシジル内服薬について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

詳しくはこちらの記事をご覧ください

*1「第1類医薬品」
一般用医薬品の1つ。一般用医薬品に存在するリスクに応じた3つの区分の中で、最も副作用の可能性が高い医薬品。購入する際は、薬剤師から指導および文書の情報提供が義務付けられている医薬品。

*2「降圧剤」
血圧を下げることを目的として使用される治療薬。一時的に血圧を下げるものや、継続的に服用することで血圧をコントロールするものなど様々な種類がある。

診療ガイドラインにおけるミノキシジル外用薬の評価

日本皮膚科学会が定める「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」には、脱毛症に対する様々な治療方法が臨床試験や比較実験と共に掲載されており、ミノキシジル外用薬に関しても推奨度やその評価が記載されています。

ミノキシジル外用薬の国内の臨床試験

2%濃度のミノキシジル液を用いた5件のランダム化比較試験*3を実施。924名の男性被験者を対象に24週間の観察期間を設定して行い、結果、2%ミノキシジル群ではプラセボ群*4に比べ、脱毛部の総毛髪数がベースラインより平均で20.90本と有意に増加したと記されてます。

また2%および 5%ミノキシジル液を比較したランダム化比較試験では、症例数の多い393名の男性被験者を対象とし、観察期間48週まで結果を確認。

脱毛部非軟毛*5数のベースラインからの増加は

※スマートフォンでご覧の場合はこの表を横にスライドができます。

対象条件 脱毛部非軟毛ベースラインの増加
プラセボ群 平均3.9本
2%ミノキシジル群 平均12.7本
5%ミノキシジル群 平均18.6本

このように、5%ミノキシジル群が他の2群に比べ有意に増加したことが記載されています。

ガイドラインでは臨床試験や比較実験を元に、記載されている治療方法を推奨度ごとにA〜Dの格付け評価されており、ミノキシジル外用薬は最高評価にあたる「A」評価であり、使用することを強く進めると結論づけています。

*3「ランダム化比較試験」
客観的な治療効果の証明を目的とした試験。試験の対象を2つのグループに分け(ランダム化)、一方には従来の治療方法に加え新薬を投与。もう一方には従来の治療方法のみを行い、それぞれの効果を比較し差異を検証する方法。

*4「プラセボ」
偽薬のこと。有効成分が含まれていない薬剤を摂取することで症状が改善することがある。プラセボ効果と呼ばれ、治験の際などに治療薬の正確なデータを得るために使用される。

*5「軟毛」
細く柔らかい髪の毛を指す。AGAの場合、脱毛の症状として髪の毛の軟毛化がみられることがある。

参考:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」

ミノキシジル外用薬の作用機序

ガイドラインにおいて評価の高いミノキシジル外用薬ですが、実際にAGAに対してどのように作用するのか明確なミノキシジルの作用機序は完全に解明されているわけではありません。

現在わかっているミノキシジルの発毛効果の本質は、毛包において、細胞の増殖やタンパク質の合成を促進することによって発毛作用を示すことが分かっています。

ミノキシジル外用薬の発毛効果と検証データ

発毛剤として馴染みのある「リアップ」は国内初の発毛剤として大正製薬から1999年に発売されました。

主要な有効成分にミノキシジルが1%配合されています。その後、ミノキシジルを5%配合した「リアップX5」の発売にあたって臨床試験が行われました。

臨床試験では、52週(約1年間)に渡ってミノキシジルの長期投与を実施し、その効果が検証されています。

医師によるミノキシジル外用薬の評価データ

52週の長期投与において「著明改善」「中等度改善」「軽度改善」「不変」「悪化」の5段階の評価基準を設定し、効果の程度を医師が評価しています。発毛状況に合わせて4週間(約1ヵ月)ごとに測定しています。

資料によると最初の4週間経過後にはすでに軽度改善判定がされており、12週間後には59.2%と、6割近くが軽度の改善と評価されています。24週間後(約6ヵ月)には「中等度改善」が47.9%となり、変化がないと評価された被験者の比率は10%を下回っています。

被験者のミノキシジル外用薬の印象データ

ノキシジル外用薬の臨床試験の被験者自身に発毛に対する効果の印象を確認しグラフ化されています。

大正製薬商品情報サイト リアップX5被験者の印象データ
出典:大正製薬商品情報サイト リアップX5発毛効果データ

ミノキシジル5%配合のリアップX5を1日2回使用し、4週間(約1ヵ月)ごとに被験者自身が髪の毛の状態を「非常に良くなった」「良くなった」「少し良くなった」「変わらなかった」「悪くなった」の 5段階で評価され、使用16週後の時点で7割の被験者が「少し良くなった」以上の発毛効果を実感。臨床期間の52週終了時には、9割以上の被験者が発毛を実感しています。

ミノキシジル外用薬使用時の総毛量数の変化データ

ミノキシジルを1%配合したリアップと、ミノキシジルを5%配合したリアップX5を使用した被験者の総毛髪数の変化が比較されています。使用開始から24週間後までを4週間(約1ヵ月)ごとに特定の部位(1㎠)における毛髪数の変化を確認し、増減数をグラフ化しています。

大正製薬商品情報サイト リアップX5発毛 総毛量数の変化データ
出典:大正製薬商品情報サイト リアップX5発毛効果データ

4週間後の増加数の差は0.6本でしたが、24週終了時にはリアップの増加数15.4本、リアップX5の増加数21.8本と差が広がり、終始リアップX5の毛量増加数が上回る結果となっています。

この臨床試験の結果はリアップX5の優位性を示すと同時に、ミノキシジルそのものの有効性を証明するデータです。

ミノキシジル外用薬の使用期間

発毛効果の実感まで

ミノキシジルには発毛効果が認められていますが、効果を実感するまでの期間は治療薬の効果には個人差があり効果の発現までの期間は一言では言い表せません。

ただし、上述の臨床試験や比較実験の結果によると早ければ4週間後から効果が認められています。

また、臨床期間は24週〜48週に行われているため、ミノキシジルを使用する場合は継続期間の目安になるでしょう。

AGAの症状改善まで

AGAはメカニズムの解明が進んだことで治療が可能になりました。いまではミノキシジル外用薬に代表される治療薬や効果的な治療方法が多く存在しています。

しかし、残念ながら何れの治療も根治を目指す治療ではなく、あくまで薄毛の症状に対する対症療法です。その為、一般的に治療により満足するだけの毛量を回復したとしても、薬の使用を継続しなければなりません。

ただし、症状の改善度合いにより減薬をなどの選択肢もある為、担当医と相談しながら治療をしてください。

ミノキシジル外用薬の使用方法

ミノキシジル外用薬には濃度1%と5%の2種類があり、どちらも成人(20歳以上)のみ使用することができます。

1日2回、1回1mLを薄毛の症状が現れている頭皮の部位に直接塗布します。使用回数や使用量を増やしても効果が上がることはありません。定められた用法・用量を厳守してください。

ミノキシジル外用薬は女性も使用することができます。しかし濃度5%のミノキシジルは国内の女性に対する安全性が確立されていないため、濃度1%のミノキシジル外用薬を使用しましょう。

なお、市販のミノキジル外用薬は1%と5%の2種類ですが、AGAクリニックが処方する場合には7%などの市販品以上の濃度で処方される場合があります。

ミノキシジル外用薬の副作用

ミノキシジル外用薬は比較的副作用が起こりづらい治療薬とされていますが、まったく起こらないわけではありません。上述したリアップX5プラスの発毛データでは副作用の発生率を8%と記載しています。

また日本皮膚科学会のガイドラインには、2%と5%のミノキシジルを用いた臨床試験の結果、皮膚症状に関する副作用の発現率は5%ミノキシジル群で6%、2%ミノキシジル群で2%あったと報告されています。

日本皮膚科学会のガイドラインについて詳しくはこちらをご覧ください。

具体的な症状

接触皮膚炎や湿疹、掻痒(かゆみ)といった皮膚関連の副作用が確認されています。敏感肌の方や頭皮に疾患や炎症などが認められる場合は、医師に相談の上使用することをおすすめします。

禁忌

以下の内容に該当する方はミノキシジル外用薬を使用することができません。

● ミノキシジルにアレルギー症状を起こしたことがある人
● 女性(濃度1%であれば使用可能)
● 未成年者
● AGA以外の脱毛症に対する使用
● 脱毛が急激であったり、髪の毛が斑状に抜けている人

ミノキシジル外用薬のジェネリック医薬品

国内初のミノキシジル配合発毛剤「リアップ」シリーズは大正製薬から発売されました。同社が所持していた特許期間が2018年に切れたことを受けて、国内の製薬会社や化粧品メーカーからミノキシジル配合の発毛剤が続々と発売されています。

ここでは大正製薬から発売されたミノキシジル濃度5%の発毛剤「リアップX5」のジェネリック医薬品*6を紹介します。(有効成分にミノキシジルを配合した発毛剤すべてを紹介しているわけではありません)

※スマートフォンでご覧の場合はこの表を横にスライドができます。

商品名 価格(税込) 容量
アンファー スカルプDメディカルミノキ5 7,800円 60ml
東和製薬 ミノアップ 7,752円 60ml
ロート製薬 リグロEX 7,700円 60ml
アートネイチャー ラボモヘアグロウミノキシ5 6,960円 60ml
日本ジェネリック ミノキシジルローション5%「JG」 7,700円 60ml

*6「ジェネリック医薬品」
先発薬として発売された医薬品の特許期間終了に伴って発売される後発医薬品。理論的に先発薬と同様の成分や効果を有している。

ミノキシジル外用薬の入手方法

現在ミノキシジル外用薬は主に3つの方法で入手することが可能です。

薬局薬店にて購入

一般用医薬品の中の第1類医薬品であるミノキシジル外用薬は、OTC​(Over The Counter(オーバー・ザ・カウンター)医薬品に分類されますので、薬剤師のいる薬局で購入することができます。なお、購入する場合は薬剤師から書面による説明を受けることが義務付けられています。

インターネットで購入

2017年の4月にAmazonにて第1類医薬品の取り扱いが始まり、一部のショッピングモールなどでインターネットを介してミノキシジル外用薬を購入をすることが可能になりました。ただ、いつでもどこでも注文できる利便性がありながら、副作用が出た場合の対応などに不安が残る場合は多く、初めてミノキシジル外用薬を使う際にはおススメが出来ません。

専門のクリニックや美容皮膚科から処方

一般の病院や診療所ではミノキシジル外用薬の取り扱いはありません。しかし、AGA専門のクリニックや美容皮膚科では取り扱っている医院も多く存在しています。効果や副作用などしっかり医師に相談できる安全性という面で考えると、初めて
ミノキシジル外用薬を使う際にはおすすめの入手方法です。

AGA治療におけるミノキシジル外用薬の有用性

AGA対策は進行の抑制と発毛の促進という2つのアプローチが重要とされています。ミノキシジル外用薬は発毛の促進を促す効果を持った治療薬です。

上述の臨床試験の結果が証明している通り発毛効果を期待することができます。

ミノキシジル外用薬のみを使用して効果が現れる方もいますが、一般的なAGAクリニックの治療では、AGAの進行抑制効果が認められているフィナステリドやデュタステリドと併用することが多いです。

医療用医薬品であるフィナステリドやデュタステリドは、日本皮膚科学会のガイドラインにおいてミノキシジルと並び最高評価「A」を受けている治療薬であり、AGAの抑制効果が証明されています。

ミノキシジル外用薬と併用することも可能であるため、併用薬として有用な選択肢となるでしょう。

フィナステリドやデュタステリドが医療用医薬品であるのに対して、ミノキシジル外用薬は第1類医薬品に分類されているためクリニックに通院せずに薬局などで入手であることが、AGAの対策をはじめるにあたり敷居が低くなるというメリットがあります。

抜け毛が増え始めたり、髪のボリュームが落ちてきた等のAGAの初期段階において、まず自分自身ではじめることのできるという意味では、ミノキシジル外用薬は有用な選択肢となるでしょう。

AGA内服薬についてはこちらをご覧ください。

詳しくはこちらの記事をご覧ください
AGA治療専門病院 銀座総合美容クリニック公式HP

記事の監修医師

正木 健太郎銀座総合美容クリニック 院長
【略歴】
・平成14年 岡山大学医学部卒
・平成20年 銀座総合美容クリニック 開院
【所属学会】
・日本形成外科学会 正会員
・日本臨床毛髪学会 正会員
・日本再生医療学会 正会員
・日本美容外科医師会 正会員

監修医師の詳細情報