ミノキシジルとは?内服薬と外服薬の違い、効果と副作用について

ミノキシジルはAGA(男性型脱毛症)の方や薄毛・抜け毛の悩みを抱えている方に用いられている成分の名称で、内服薬では「ミノキシジルタブレット(ミノタブ)」、外用薬(塗り薬)では「リアップ」や「メディカルミノキ」などで知られています。

AGA(男性型脱毛症)とは男性ホルモンが原因で引き起こされる薄毛の症状であり、AGAに対する有効な治療薬の代表的な物の1つとしてミノキシジルは多くの人に選択されています。

AGA(男性型脱毛症)のメカニズムについて詳しくはこちらをご覧ください。

AGAとは?薄毛になるメカニズムや原因と治療法

ミノキシジルの効果は髪の毛を生やすことが期待されており、髪の毛を生やしたいと希望する方のAGA治療に用いられます。

ミノキシジルの薬剤形態として、タブレットタイプの内服薬と頭皮に直接塗る外用薬の2種類が存在し、それぞれ同じ有効成分ミノキシジルを含有した治療薬ですが、国内で正式に認可が下りているのは外用薬のみであり、内服薬は未認可となっています。

ミノキシジルタブレットが国内で認可されていない理由をはじめ、ミノキシジルの効果や副作用、初期脱毛の現象について触れていきます。また、ミノキシジルの使用をやめるとどうなるのかを詳しく掘り下げて説明していきますので、安全に効果的なミノキシジルの使用方法を知りたい方はぜひ参考にしてください。

まずは、様々な濃度の種類があるミノキシジルについて、注意が必要な点をご紹介します。

ミノキシジルとは

銀座総合美容クリニック_AGA治療薬

ミノキシジルは血管拡張作用が認められており、高血圧の方にとっての降圧剤*1として1960年代にアメリカの製薬会社によって開発された経緯をもっています。

しかし、副作用として「多毛(毛が生える)」という現象が発生したため薄毛治療への転用が期待され、研究の結果、発毛効果が認められると共にAGA治療薬として使用されるようになりました。

現在では、フィナステリドやデュタステリドと並び、AGA治療の代表的な薬剤として国内外で広く使用されています。

*1「降圧剤」
血圧を下げることを目的として使用される治療薬。一時的に血圧を下げるものや、継続的に服用することで血圧をコントロールするものなど様々な種類がある。

ミノキシジルの処方は濃度マネージメントできる場所が好ましい

ミノキシジルには高血圧の方や肝臓の数値が悪い方は要注意な治療薬です。また、健康な男性が内服しても、動機が激しくなったり、手や足がむくんでしまったりすることもあります。

そういったとき、個人輸入や濃度マネージメントができない病院では、ミノキシジルの内服を中断するしか手段がありません。せっかくミノキシジルを使って発毛できるというチャンスがあるにも関わらず、その手段を閉ざされてしまっては、これまで内服していた時間が無駄になってしまいます。

一般的な病院では、風邪をひいたときに処方してもらった薬の効き目が悪ければ、処方してくれた病院に行って強めの薬に切り替えてもらうことができます。

ミノキシジルも同様に、治療薬を個人に合わせて処方するという濃度マネージメントを行えば、副作用が発現したときでも安心して相談できると思います。

銀座総合美容クリニックでは患者様の健康状態を確認し、ミノキシジルの濃度を調整して処方いたします。また、満足のいく発毛をご実感された後は、減薬や維持療法に切り替えをしています。

  • 治療方法:内服薬療法
  • 治療費用:内服薬治療16,500円/月
    ※2022年治療費改定前の費用です。
  • 治療期間:2018年8月より開始
  • 初診時:H-N分類 V型
  • 治療後:H-N分類 III vertex型
30代男性 AGA内服薬治療 若ハゲ治療前(症例写真)
30代男性 AGA内服薬治療 若ハゲ治療中(症例写真)
30代男性 AGA内服薬治療 若ハゲ治療後(症例写真)
30代男性 AGA内服薬治療 若ハゲ治療前(症例写真)
30代男性 AGA内服薬治療 若ハゲ治療中(症例写真)
30代男性 AGA内服薬治療 若ハゲ治療後(症例写真)

30代男性。初診時に頭頂部を中心に広範な毛髪密度の低下を認めました。
拡大鏡による視診にて改善余地のある軟毛を多数認めた為、内服治療を開始。以後明確な毛量変化を認めました。現在は減薬し、維持療法に切り替えています。

※治療薬には、まれに副作用(頭痛・倦怠感・肝機能障害等)のあるものがございます。副作用については、医師が必ず
 治療前にきちんとご説明をいたしますので、ご不明点やご心配があればそのおりにお気軽にお聞きください。

その他の銀座総合美容クリニックの症例写真をご覧になたい方はこちらのページからご確認下さい。
AGA治療の効果(ビフォア・アフター症例写真) | AGA・薄毛治療の病院 【銀座総合美容クリニック】 公式サイト

「常に患者さん目線でのクリニック運営」「患者満足度のより高いAGAクリニックを目指す」をクリニックの運営理念に掲げ薄毛に悩む患者様と日々真摯に向き合っており、無料カウンセリングを対面・オンラインともに常時承っておりますので、薄毛でお悩みの方はご相談ください。

ミノキシジル内服薬とは

ミノキシジルには内服薬と外用薬が存在しますが、厚生労働省の認可を受けているのは外用薬のみで、ミノキシジル内服薬は国内製造も販売も禁止されています。

しかし、医師の責任において輸入し処方することは可能であることや、高い発毛効果を期待できることから国内ではミノキシジル内服薬を取り扱っているAGAクリニックも多く存在します。

なお、医師によるミノキシジル内服薬の輸入に関しては、医療法に基づき、医師の裁量権の元に患者に処方しても全く問題がないとされていますので、ミノキシジル内服薬の処方自体は国内において何ら問題はありません。

しかし、だからと言ってミノキシジルの処方を誰もが行えるわけではもちろんありません

2020年の1月に「はげや」という輸入代行のサイトで、ミノキシジル内服薬と「フィンペシア」というフィナステリド成分配合の薬剤をセットで販売していた事件も記憶に新しいですね。

日本国内で医薬品や医療機器を製造・販売するためには厚生労働省の認可を受けなければなりません。これは「医薬品医療機器法」によって定められているのです。

医薬品・医療機器等の有効性・安全性を確保するため、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」に基づき、製造から販売、市販後の安全対策まで一貫した規制を行っています。また、献血に代表される血液事業、薬物乱用防止対策、化学物質の安全対策など国民の生命と健康に直結するさまざまな問題に取り組んでいます。

引用元:厚生労働省HPより抜粋

ミノキシジル外用薬とは

ミノキシジル外用薬はAGAにおける発毛、育毛および脱毛の進行を予防する治療薬として、厚生労働省から認可を受けている薬剤です。

ミノキシジル外用薬は「第1類医薬品*2」に帰属しており、各製薬会社からミノキシジルを配合した発毛剤が市販品としても販売され、医師の診断を受けずに薬局で購入することが可能です。ただし、購入の際には薬剤師による情報提供が義務付けられています。

*2「第1類医薬品」
一般用医薬品の1つ。一般用医薬品に存在するリスクに応じた3つの区分の中で、最も副作用の可能性が高い医薬品。購入する際は、薬剤師から指導および文書の情報提供が義務付けられている医薬品。

ミノキシジル内服薬(タブレット)と外用薬(塗り薬)の違いは?

ミノキシジル内服薬(タブレット)と外用薬(塗り薬)の違いは?

ミノキシジルという成分には発毛効果が期待できるとお伝えしておりますが、AGA治療薬としては内服薬(タブレット)と外用薬(塗り薬)の2種類に分かれます。それぞれの違いを確認しましょう。

比較項目ミノキシジル内服薬(タブレット)ミノキシジル外用薬(塗り薬)
効果・作用血管拡張による血流改善から発毛効果の作用があるとされている細胞分裂活性化による局所的な発毛効果が期待できる
効果・作用の効力肝臓で代謝するため効力は高い肝臓で代謝しないため効力は低い
効果・作用の範囲全身に及ぶ可能性がある塗布した部分のみ効果がある
副作用のリスク肝臓機能や血圧に問題がある場合は注意が必要怒りにくいが、塗布部の湿疹、掻痒(かゆみ)など
体毛への影響全身に作用するため体毛が濃くなる場合がある塗布部分に限定されるためほぼなし
購入方法医師による処方薬局で購入可能(薬剤師の説明が必須)
使用方法飲み薬として服用頭皮に直接塗布
対象者AGAの進行が進んでいる方や効果を早く得たい方AGAの初期段階で自己処置を始めたい方

ミノキシジル内服薬(タブレット)の特徴

ミノキシジルタブレット(内服薬)の特徴は、「毛生え薬」と言われるように、育毛や発毛への効果が期待されることです。

もともとは降圧剤の治療薬ですので、収縮した血管を拡張させることで血圧を緩和する作用が確認されています。ミノキシジルタブレット(内服薬)を服用することで、血管が拡張するため血流がよくなり、毛細血管にまでキチンと血流が回ることによって毛根へ栄養が行き渡ります。豊富な栄養が届けば、細胞が活性化して成長を促してくれますので、元気のなかった毛髪にも栄養が届き、しっかりとしたコシのある毛髪へと成長できるのです。

ミノキシジル内服薬は体内からの効果を期待するもので、その効果は確認されているものの、健康状態によっては危険な治療薬にもなりえます。ミノキシジルタブレット(内服薬)は肝臓で代謝する薬ですので、肝機の数値が高い人やもともと血圧が低い人などは、服用に注意が必要です。

また、ミノキシジルを内服するわけなので、作用は全身に及びます。そのためミノキシジルを内服してから体毛が濃くなったという方も若干数いらっしゃいます。

ミノキシジル外用薬(塗り薬)の特徴

ミノキシジルの塗り薬(外用薬)の特徴は、塗った部分の発毛が促進されることです。また、通院せずに薬局で購入できる手軽さも特徴の一つと言えるでしょう。

ミノキシジルが含有しているものは「発毛剤」として発売されており、こういった発毛剤は「リアップ」や「メディカルミノキ」などといった商品に当たり、医薬品に分類されます。そのため薬局で購入しようとしても、必ず薬剤師の説明が義務付けられています。

残念ながら、ミノキシジルを含有していない商品は化粧品や医薬部外品での扱いですので、「チャップアップ」や「ニューモ」などといった育毛剤には発毛効果はありません。

ミノキシジルの塗り薬(外用薬)には細胞分裂を活性化させる効果があり、これを塗ることで毛母細胞の細胞分裂が促進され、発毛が期待されます。

ミノキシジルタブレット(内服薬)と異なり、局所的にミノキシジルを塗布することができるので、ミノキシジルタブレットのように全身に成分が行くわけではありません。しかし、ミノキシジルは肝臓で代謝される成分ですので、それを頭皮につけたとしても、タブレットのような効力は低いようです。

抜け毛が増え始めたり、髪のボリュームが落ちてきた等のAGAの初期段階において、まず自分自身ではじめることのできるという意味では、ミノキシジル外用薬は有用な選択肢となるでしょう。

ミノキシジルの効果

ミノキシジルの効果

ミノキシジルは髪の毛の根元にある、毛乳頭に作用する成長因子の分泌を活性化させる働きや、その働きにより細胞分裂を繰り返すことで髪の毛になる毛母細胞に作用すると言われています。この作用によって発毛が促進されると考えられているのです。

男性型脱毛症(AGA)の治療において、ミノキシジルの有用性と評価を確認してみましょう。

AGA治療におけるミノキシジル外用薬の有用性

AGA対策は進行の抑制と発毛の促進という2つのアプローチが重要とされています。ミノキシジル外用薬は発毛の促進を促す効果を持った治療薬です。

ミノキシジル外用薬のみを使用して効果が現れる方もいますが、一般的なAGAクリニックの治療では、AGAの進行抑制効果が認められているフィナステリドやデュタステリドと併用することが多いです。

日本皮膚科学会のガイドラインにおいてミノキシジルは、医療用医薬品であるフィナステリドやデュタステリドと並び最高評価「A」を受けているため、AGAの抑制効果が証明されており、併用することは有用な選択肢となるでしょう。

フィナステリドやデュタステリドが医療用医薬品であるのに対して、ミノキシジル外用薬は第1類医薬品に分類されているためクリニックに通院せずに薬局などで入手であることが、AGAの対策をはじめるにあたり敷居が低くなるというメリットがあります。

抜け毛が増え始めたり、髪のボリュームが落ちてきた等のAGAの初期段階において、まず自分自身ではじめることのできるという意味では、ミノキシジル外用薬は視野に入れるべき選択肢と言えるでしょう。

診療ガイドラインにおけるミノキシジル外用薬の評価

日本皮膚科学会が定める「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」には、脱毛症に対する様々な治療方法が臨床試験や比較実験と共に掲載されており、ミノキシジル外用薬に関しても推奨度やその評価が記載されています。

AGA治療における男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインとは

ミノキシジル外用薬の国内の臨床試験

2%濃度のミノキシジル液を用いた5件のランダム化比較試験*3を実施。924名の男性被験者を対象に24週間の観察期間を設定して行い、結果、2%ミノキシジル群ではプラセボ群*4に比べ、脱毛部の総毛髪数がベースラインより平均で20.90本と有意に増加したと記されてます。

また2%および 5%ミノキシジル液を比較したランダム化比較試験では、症例数の多い393名の男性被験者を対象とし、観察期間48週まで結果を確認。

脱毛部非軟毛*5数のベースラインからの増加は

対象条件脱毛部非軟毛ベースラインの増加
プラセボ群平均3.9本
2%ミノキシジル群平均12.7本
5%ミノキシジル群平均18.6本

このように、5%ミノキシジル群が他の2群に比べ有意に増加したことが記載されています。

ガイドラインでは臨床試験や比較実験を元に、記載されている治療方法を推奨度ごとにA〜Dの格付け評価されており、ミノキシジル外用薬は最高評価にあたる「A」評価であり、使用することを強く進めると結論づけています。

*3「ランダム化比較試験」
客観的な治療効果の証明を目的とした試験。試験の対象を2つのグループに分け(ランダム化)、一方には従来の治療方法に加え新薬を投与。もう一方には従来の治療方法のみを行い、それぞれの効果を比較し差異を検証する方法。

*4「プラセボ」
偽薬のこと。有効成分が含まれていない薬剤を摂取することで症状が改善することがある。プラセボ効果と呼ばれ、治験の際などに治療薬の正確なデータを得るために使用される。

*5「軟毛」
細く柔らかい髪の毛を指す。AGAの場合、脱毛の症状として髪の毛の軟毛化がみられることがある。

ミノキシジルの作用機序

ミノキシジルの作用機序

実は、現在の医学ではミノキシジルのAGAに対する厳密な作用は解明されていません。しかし、信憑性の高いデータや研究は発表されており、おおよその作用機序は分析されています。

上述したミノキシジルの効果の中で毛乳頭や毛母細胞の活性化について触れましたが、正確には毛乳頭に作用するVFGFとIGF-1と呼ばれる成長因子を活性化するからと考えられています。

● VEGF「血管内皮細胞増殖因子」
→血管形成(血管がないところに新たな血管を作り出すこと)および、血管新生(既存の血管から分枝伸長し、血管を形成すること)に関与する成長因子です。

● IGF-1「インスリン様成長因子-1」
→主に肝臓などから分泌される成長因子の1つで、細胞増殖や、分化の促進、タンパク質の合成に作用しています。

VEGFは毛組織における代表的な細胞成長因子であり、髪の毛に存在するヘアサイクルの健全な活動に関与しています。

ヘアサイクル中の成長期を維持する因子であるVEGFは、ヘアサイクルが成長期から退行期へ移行することに伴い減少していきます。

同様にAGA発症時の毛細胞で減少することから、発毛に大きく関わる重要な成長因子といわれています。

また、人の毛乳頭にはIGF-1と受容体(体内にあって、外界や体内からの何らかの刺激を受け取り、情報として利用できるように変換する仕組みを持った構造のこと)が存在し、毛母細胞成長因子を産生させ、毛母細胞を増殖させる方向に作用することがわかっています。

髪の毛が成長し、発毛するメカニズムは、髪の毛の元となる毛母細胞が増殖することです。髪の毛の発毛にとって大きな役割を担っている各成長因子は、ミノキシジルは毛乳頭細胞内の成長因子の産生や、発現を促進することによって発毛効果を発揮しています。また、血行の促進に関しては、血管を拡張することで血流の改善が見込めるとも考えられております。

毛乳頭には血管が入り込んでいるため、毛組織血管の拡張による血流改善効果が期待されることは必然であり、毛組織の栄養状態を改善して発毛を促すと推定されますが、毛組織での血流増加の証明は未だにされておらず、血流を介さない直接作用の可能性もあるとされています。

ミノキシジル外用薬の作用機序

ガイドラインにおいて評価の高いミノキシジル外用薬ですが、実際にAGAに対してどのように作用するのか明確なミノキシジルの作用機序は完全に解明されているわけではありません。

現在わかっているミノキシジルの発毛効果の本質は、毛包において、細胞の増殖やタンパク質の合成を促進することによって発毛作用を示すことが分かっています。

発毛剤として馴染みのある「リアップ」は国内初の発毛剤として大正製薬から1999年に発売され、主要な有効成分にミノキシジルが1%配合されました。その後、ミノキシジルを5%配合した「リアップX5」の発売にあたって臨床試験が行われたのです。

臨床試験では、52週(約1年間)に渡ってミノキシジルの長期投与を実施し、その効果が検証されています。どの程度改善したのか、またはしなかったのかを段階に分けて医師が評価している「評価データ」や、被験者が自身の発毛に対する印象をグラフ化した「印象データ」などが確認できます。詳しくはこちらから。

ミノキシジルの服薬期間

ミノキシジルの服薬期間

ミノキシジル外用薬に関しては、日本皮膚科学会の発行する「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」において、実施された国内臨床試験の結果が記載されていますが、ミノキシジル内服薬の有用性に関する臨床試験は行われていません。

内服薬のみにおける服用期間は明言できませんが、外用薬と内服薬の有効成分や発毛メカニズムは同じであるため、外用薬の臨床試験結果を目安と捉えることはできるでしょう。

ガイドラインに記載されている臨床試験の観察期間は24週~48週です。つまり内服薬を服用する場合も、最低限6ヵ月以上の継続が必要となるかもしれません。

参考:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」

ミノキシジル外用薬の使用期間

ミノキシジル外用薬を使用する場合に、どの程度で効果が実感できるか、またどの程度の期間利用する必要があるかなどを解説します。

発毛効果の実感まで

ミノキシジルには発毛効果が認められていますが、効果を実感するまでの期間は治療薬の効果には個人差があり効果の発現までの期間は一言では言い表せません。

ただし、上述の臨床試験や比較実験の結果によると早ければ4週間後から効果が認められています。

また、臨床期間は24週〜48週に行われているため、ミノキシジルを使用する場合は継続期間の目安になるでしょう。

AGAの症状改善まで

AGAはメカニズムの解明が進んだことで治療が可能になりました。いまではミノキシジル外用薬に代表される治療薬や効果的な治療方法が多く存在しています。

しかし、残念ながら何れの治療も根治を目指す治療ではなく、あくまで薄毛の症状に対する対症療法です。その為、一般的に治療により満足するだけの毛量を回復したとしても、薬の使用を継続しなければなりません。

ただし、症状の改善度合いにより減薬をなどの選択肢もある為、担当医と相談しながら治療をしてください。

ミノキシジルの服薬方法

ミノキシジルの服薬方法

ミノキシジルは、内服薬と外用薬で服用方法の注意点が異なります。

ミノキシジル内服薬の服薬方法

ミノキシジル内服薬については、治療を行うクリニックごとに、様々な容量と剤形があるので、服用方法については処方を受けたAGAクリニックの指示に従う必要があります。

AGAの進行状況によって、1日1回の服用や朝晩1日2回の服用の場合など、様々なケースが得られますので、必ず医師と相談の上で調整しましょう。

また、AGA治療薬は継続しなければ効果を実感できません。というのも、AGA治療約に限らずですが薬はその効果を最大限引き出す為に、体内の有効成分の血中薬物濃度を一定に保つ必要があります。その為に飲み忘れを防ぎ毎日決まった時間に服用することが一般的とされています。

他の治療薬との併用

ミノキシジル内服薬は他のAGA治療薬と併用することが可能であり、同じ有効成分を含有するミノキシジル外用薬と併用して使用されることもあります。

AGAは、症状の進行を抑制しながら同時に発毛を促進することで最も効果が現れるといわれているため、発毛の促進に効果的なミノキシジルだけを服用しても、発毛を促して髪を太く長く成長させる前に髪が抜け落ちてしまう為、症状の抑制に効果的なフィナステリドやデュタステリドと併用することも一般的とされています。

その他のAGAの薬やAGAの治療法について詳しくはこちらをご覧ください。

医学的見地に基づくAGAに効果がある薬と治療法

ミノキシジル外用薬の使用方法

ミノキシジル外用薬には濃度1%と5%の2種類があり、どちらも成人(20歳以上)のみ使用することができます。

1日2回、1回1mLを薄毛の症状が現れている頭皮の部位に直接塗布します。使用回数や使用量を増やしても効果が上がることはありません。定められた用法・用量を厳守してください。

ミノキシジル外用薬は女性も使用することができます。しかし濃度5%のミノキシジルは国内の女性に対する安全性が確立されていないため、濃度1%のミノキシジル外用薬を使用しましょう。

なお、市販のミノキジル外用薬は1%と5%の2種類ですが、AGAクリニックが処方する場合には7%などの市販品以上の濃度で処方される場合があります。

ミノキシジル内服薬の服用の際の注意点

ミノキシジル内服薬の服用の際の注意点

ミノキシジル内服薬は、服用すると様々な症状を引き起こす可能性があります。そのため、ミノキシジルタブレットを服用するにあたり注意すべき点をまとめました。

ミノキシジルの初期脱毛

ミノキシジルの服用を開始した際に、普段より多く脱毛が認められる場合があります。主に服用後2週間程度ではじまるこの症状を「初期脱毛」といい、1ヵ月~2ヵ月程度で治るといわれています。

初期脱毛は、AGAの進行によって乱されたヘアサイクルがミノキシジルの効果によって正常に戻る過程で起こる現象であり、体の正常な反応です。ミノキシジルによって成長期に移行した髪の毛は、元々生えている古い髪の毛を押し出し成長します。その際に古い髪の毛が抜け落ちるのが初期脱毛の原因です。

ミノキシジルタブレットを服用して、薄毛が改善するはずなのに抜け毛が止まらない、と不安になる方が多いですが、用法容量を守って内服しているのであれば、ミノキシジル成分によって成長期に移行した正常な毛髪が育ってきている証拠ですので、安心してください。

なお、初期脱毛は必ず起きるわけではなく、起こったとしても一時的に脱毛が増加するケースがほとんどです。

AGA治療の初期脱毛のメカニズムについて詳しくはこちらをご覧ください。

AGA治療で初期脱毛が起きる原因やメカニズムとは

ミノキシジルの副作用

降圧剤として開発されたミノキシジルですが、副作用としての多毛が認められたことからAGA治療薬として利用されている経緯からもわかるように、体毛が濃くなるという副作用が報告されています。

また、日本皮膚科学会のガイドラインには、“内服用製剤の添付文書中の市販後調査欄に、 胸痛、心拍数増加、動悸、息切れ、呼吸困難、うっ血性心不全、むくみや体重増加などの重大な心血管系障害が生じるとの記載がある”と表記されてることからも分かる通り、服用の際には必ず医師の指導を受ける必要があります。

  • 皮膚:多毛症
  • 循環器:胸痛、心拍数増加、動悸、息切れ、呼吸困難、うっ血性心不全 など
  • その他:原因不明の急激な体重増加、手足のむくみ

さらに、ミノキシジルは肝臓で代謝される成分ですので、健康診断時の数値などはしっかりと医師に確認してもらった方が、肝機能低下のリスクが少なく済みます。定期的に診断してくれるところであれば、より安心して内服することができるでしょう。

ミノキシジルの禁忌

内服薬のミノキシジルに関して国内の認可がない為、明確な禁忌について言及することは困難です。

しかし外用薬のミノキシジルについて、各社の発毛剤の説明書に記載されている禁忌の項目を確認すると、次のような人が禁忌とされています。

● 女性(ミノキシジルの配合量が5%の場合)

日本人女性における安全性がミノキシジル5%では確認されていません。ミノキシジル含有量が1%のものを使用してください。

● 未成年者(20歳未満)

国内での使用経験がありません。

● 壮年性脱毛症(AGA)以外の脱毛症

ミノキシジルは壮年性脱毛症(AGA)のみ有効ですので、円形脱毛症の方や甲状腺疾患による脱毛症などの方は使用しないでください。

● 脱毛が急激であったり、髪は斑状に抜けている人

壮年性脱毛症(AGA)以外の可能性が高いため、ミノキシジル外用薬を独断で使用せず、医療機関に相談しましょう。

少なくとも内服薬でも同様なことは言えますが、これらはあくまで外用液での禁忌や副作用に過ぎないので、内服薬独自での副作用や禁忌の情報については、必ず処方を受けた医療機関に確認が必要です。

医薬品副作用被害救済制度について

医薬品において副作用の有無を完全に予期することは不可能です。

この制度は、医薬品等を適正に使用したにも関わらず、副作用が発生し健康被害を受けた場合、医療費等の給付を行い、被害を受けた方の迅速な救済を図ることを目的として創設されました。

ミノキシジル内服薬はこの制度の対象外であり、万が一、重大な副作用が発生したとしても保証を受けることができないことを留意しておきましょう。

ミノキシジル外用薬の副作用

ミノキシジル外用薬の副作用

ミノキシジル外用薬は比較的副作用が起こりづらい治療薬とされていますが、まったく起こらないわけではありません。上述したリアップX5プラスの発毛データでは副作用の発生率を8%と記載しています。

また日本皮膚科学会のガイドラインには、2%と5%のミノキシジルを用いた臨床試験の結果、皮膚症状に関する副作用の発現率は5%ミノキシジル群で6%、2%ミノキシジル群で2%あったと報告されています。

具体的な症状

接触皮膚炎や湿疹、掻痒(かゆみ)といった皮膚関連の副作用が確認されています。敏感肌の方や頭皮に疾患や炎症などが認められる場合は、医師に相談の上使用することをおすすめします。

また、ミノキシジル特有の初期脱毛と呼ばれる、使用開始1~3カ月目の初期段階において一時的に抜け毛が増える症状です。

AGA治療で初期脱毛が起きる原因やメカニズムとは

ミノキシジル外用薬のジェネリック医薬品

AGA治療薬の入手方法

国内初のミノキシジル配合発毛剤「リアップ」シリーズは大正製薬から発売されました。同社が所持していた特許期間が2018年に切れたことを受けて、国内の製薬会社や化粧品メーカーからミノキシジル配合の発毛剤が続々と発売されています。

ここでは大正製薬から発売されたミノキシジル濃度5%の発毛剤「リアップX5」のジェネリック医薬品*6を紹介します。(有効成分にミノキシジルを配合した発毛剤すべてを紹介しているわけではありません)

商品名価格(税込)容量
アンファー スカルプDメディカルミノキ57,800円60ml
東和製薬 ミノアップ7,752円60ml
ロート製薬 リグロEX7,700円60ml
アートネイチャー ラボモヘアグロウミノキシ56,960円60ml
日本ジェネリック ミノキシジルローション5%「JG」7,700円60ml
*6「ジェネリック医薬品」
先発薬として発売された医薬品の特許期間終了に伴って発売される後発医薬品。理論的に先発薬と同様の成分や効果を有している。

ミノキシジルの入手方法

ミノキシジルの入手方法

ミノキシジルは内服薬と外用薬で入手方法が異なります。

ミノキシジル内服薬の入手方法

ミノキシジルの内服薬は国内で認可が下りていない以上、一般の皮膚科などで入手することはできません。

故に、薄毛治療を行っている美容クリニックや、AGA専門のクリニックで処方してもらう必要があります。

それ以外ですと、海外の通販サイトや、個人輸入を斡旋する代理店を経由して治療薬を入手する方法があります。

病院やクリニックにおける医師の診察を受ける必要はなく、比較的安価で購入できることもあり、個人輸入を試みる方もいるようです。

しかしながら、個人輸入にはリスクが伴い、国内の病院やクリニックに比べ、入手ルートが不透明なことが多く、偽薬や粗悪品が混入されている可能性もあります。

万が一、個人輸入で購入した治療薬を服用した際に、重篤な副作用が発生した場合は、すべて自己責任になってしまうので、個人輸入は手軽に治療薬を入手できる手段ではありますが、反面、相応のリスクが伴う点からも、個人輸入は決して賢明な判断とはいえません。

内服薬は外用薬と違い、直接体内から効果を発揮するため、外用薬より高い効果を期待できるでしょう。

しかし上述したとおり、内服薬は厚生労働省未認可薬です。「未認可だから内服するのが怖い」ではなく、「重篤な副作用が発現しても自分ではわからないから怖い」ので、服用の際は医師の診察を受け、効果やリスクをしっかりと把握した上で服用するようにしましょう。

ミノキシジル外用薬の入手方法

現在ミノキシジル外用薬は主に3つの方法で入手することが可能です。

薬局薬店にて購入

一般用医薬品の中の第1類医薬品であるミノキシジル外用薬は、OTC​(Over The Counter(オーバー・ザ・カウンター)医薬品に分類されますので、薬剤師のいる薬局で購入することができます。なお、購入する場合は薬剤師から書面による説明を受けることが義務付けられています。

インターネットで購入

2017年の4月にAmazonにて第1類医薬品の取り扱いが始まり、一部のショッピングモールなどでインターネットを介してミノキシジル外用薬を購入をすることが可能になりました。ただ、いつでもどこでも注文できる利便性がありながら、副作用が出た場合の対応などに不安が残る場合は多く、初めてミノキシジル外用薬を使う際にはおススメが出来ません。

専門のクリニックや美容皮膚科から処方

一般の病院や診療所ではミノキシジル外用薬の取り扱いはありません。しかし、AGA専門のクリニックや美容皮膚科では取り扱っている医院も多く存在しています。効果や副作用などしっかり医師に相談できる安全性という面で考えると、初めてミノキシジル外用薬を使う際にはおすすめの入手方法です。

ミノキシジルに関してよくある質問

ミノキシジルに関してよくある質問

ミノキシジルに関してよくある質問をまとめました。

ミノキシジル内服薬の使用をやめるとどうなりますか?

ミノキシジル内服薬の使用をやめると、育毛効果が減衰してしまいます。
ミノキシジルは血行促進などによって細胞分裂を促進するものです。つまり、AGAの根本的な解決につながっているわけではありません。したがって、ミノキシジルの服用をやめると細胞分裂を促進するきっかけがなくなり、育毛効果が減衰してしまいます。

ミノキシジルの内服は危険って本当ですか?

ミノキシジルには重篤な副作用が発現する可能性のある薬です。それを医師の診断なしで内服することは、とても危険でリスクのあることに間違いありません。
また、健康状態や抜け毛の進行度具合や、副作用の発現を確認したら、ミノキシジルの濃度を調整してその人に合わせた調剤が必要になります。きちんと医師が頭部を見たり、髪の毛を触って診察をしてくれるような場所で処方してもらった方が、安心して内服できるでしょう。

ミノキシジルが女性に禁忌なのはなぜですか?

ミノキシジル含有量が5%の外用薬は、女性の使用数が少なく、臨床試験もできていないため安全性を確立できていないです。女性の場合、1%でも十分に発毛に対する効果は確認されているので、薬局などで購入する場合は必ず1%の女性用を購入してください。
また、女性でミノキシジルを使用する場合の注意点ですが、ミノキシジルには血管拡張の作用が確認されており、妊娠している可能性のある女性が使用すると、血流をよくするため心臓に負担がかかります。
妊娠中に心臓に負担のかかるミノキシジルを内服してしまうと、胎児の心臓にも負担をかけてしまうため、妊娠の可能性が少しでもある場合はミノキシジルを内服するのは避けるとよいでしょう。

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記事の監修医師

正木 健太郎銀座総合美容クリニック 院長
【略歴】
・平成14年 岡山大学医学部卒
・平成20年 銀座総合美容クリニック 開院
【所属学会】
・日本形成外科学会 正会員
・日本臨床毛髪学会 正会員
・日本再生医療学会 正会員
・日本美容外科医師会 正会員

監修医師の詳細情報
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